職人技の“塩振り”魚種に合わせた絶妙な塩加減/京粕漬魚久(連載第2回)

職人技の“塩振り”魚種に合わせた絶妙な塩加減/京粕漬魚久(連載第2回)

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粕漬の有名ブランド“京粕漬魚久”で知られる株式会社魚久では、粕漬をどのように作っているのでしょうか?全4回の連載形式でその秘密に迫ります!連載第2回のテーマは、職人技の「塩振り」です。

熟練した職人にしかできない手による塩振り
 一次工場でつくられた切身は二次工場で粕漬にされますが、漬ける前に“塩振り”という工程があります。
「塩を振った台の上に、切身を並べ、その上からまた塩を振っていきます。塩と塩で切身を挟むような感覚で、満遍なく振らなければなりません。魚種によって最適の塩加減が違ってくるなど、以前は熟練した職人にしかできない工程でした。今でも手で振るのはベテランの職人です」と話すのは青鹿友彦工場長です。

熟練した職人にしかできない手による塩振り

熟練した職人にしかできない手による塩振り

熟練した職人にしかできない手による塩振り

“どこを食べてもうまい”という味への追求。
試行錯誤の末に機械で再現
 熟練した職人の手作業だけに頼っていては、生産能力に限界があります。誰が塩を振っても魚久の味を出せるようにすることは、魚久の長年の課題であり、それを追究していった結果、たどり着いたのが最新技術の導入でした。ドイツのハム工場で使われていたシステムを参考に、同社は独自に「インジェクション」というシステムを開発したのです。
 細い針を使って自動的に切身に塩水を注入するこのシステムで、熟練した職人技を再現するためには何度も試行錯誤を繰り返しました。「どこを食べてもうまい」という、魚久の味を追求していくためには、均一に針を刺さなければなりません。魚種によって塩水の濃度を調整したり、針を刺す深さを調整しなければならず、それを粕漬後に試食して確かめていくのです。数グラムずつ塩分濃度を変え、0・1ミリ単位で針の深度を変える気の遠くなるような地道な作業を続けて、ようやく魚久の味を再現できるようになりました、大量生産と味への追求の両方を実現できたのです。それでもまだ全ての商品を自動化できているわけではなく、職人の作業も続けられています。現在はこのインジェクションで10種類の魚を処理しています。

たっぷりとあふれんばかりの酒粕に漬け込むのが魚久流
 塩振りが終われば、いよいよ酒粕に漬けていきます。魚久がじっくり熟成した酒粕は、ほどよい酒の香りと味噌のような色合いが特徴です。常に魚久の味を保てるように、数種類の酒粕を混ぜ合わせてつくっています。

たっぷりとあふれんばかりの酒粕に漬け込むのが魚久流

たっぷりとあふれんばかりの酒粕に漬け込むのが魚久流

たっぷりとあふれんばかりの酒粕に漬け込むのが魚久流

たっぷりとあふれんばかりの酒粕に漬け込むのが魚久流

たっぷりとあふれんばかりの酒粕に漬け込むのが魚久流

魚を敷き詰めては、上から酒粕で覆うようにして、これを何層も重ねていきます。たっぷりとあふれんばかりの酒粕に漬け込むのが魚久流です。

粕漬けの旨味
 お酒の醸造に使われるアスペルギルス・オリゼー(ニホンコウジカビ)は米をブドウ糖やアミノ酸に分解し、酵母が発酵しやすい環境に整えます。この時、麹と酵母によって酵素や代謝産物(酒になっていく過程で生まれる物質)がたくさんつくられてお酒の旨味となるのです。
 白濁した原酒を絞ってお酒にしますが、その絞った後のものが酒粕です。粕とはいいながら、この中にはお米の500倍以上のアミノ酸(旨味)が残っています。また、酒粕にはアルコールも十分残っているので、素材の持つ生臭さを取って、コクやまろやかさを与え、食感をしっとり柔らかくする効果もあります。

連載第3回は冷凍保存技術による最適な品質の管理方法に迫ります。

 

株式会社 魚久
株式会社 魚久
本社 東京都中央区日本橋人形町1-1-20
TEL 03-3527-6868
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