私たちの生活に欠かせない「水」と「和食」の関係

温暖な気候で雨も多い日本は、豊富な水と豊かな森があり、穀物や果物、野菜、魚などの自然の恵みを古くから受けていました。
今回は生活に欠かせない「」と「和食」についてのお話です。

【軟水と和食文化】

日本のほとんどの地域は軟水です。
軟水はクセがなくまろやかな味わいなので、素材の味を生かした料理に適しています。その豊富な水を使って日本では「煮る」「蒸す」「茹でる」など水をたくさん使った調理法や、「出汁」「豆腐」「日本酒」などの素材の持ち味を生かした和食文化が作られてきました。
また、「茶の湯(茶道)」が発達した理由の1つにも軟水が挙げられます。


【水と料理のおいしい関係】

①ご飯を炊く
かたく乾燥した米が十分に水分を吸収し、熱が加わることでおいしいご飯になります。
たっぷりと水分を含ませるには、おいしい水がとても大切。
日本人の好きな、ふっくら艶やかなご飯に炊き上げるには、軟水が良いとされています。
それは、硬水で炊くと水に含まれるカルシウムが食物繊維を硬くするため、粘り気が無くパサパサとしたご飯になってしまうからです。
ただし、ピラフやパエリアなどお米の粘りを出したくない料理の場合には、硬水と使うのもおすすめです。

②出汁を取る
和食の基本でもある出汁には、主にかつお節と昆布が使われています。
その素材の成分を十分に引き出すには軟水が良いとされています。
硬水を使うと水に含まれるミネラル分がかつお節や昆布などのうま味成分と結合し、アクとなって出てしまうため素材のうま味が上手に引き出されなくなってしまいます。

③素材を煮る
和食でよく使われる魚や野菜も基本的には軟水が向いていると言われています。
魚は軟水で煮ることでふっくらと仕上がり、本来のおいしさが引き出されます
また、野菜を煮るときにも軟水を使うことで、素材をやわらかく仕上げます
ただし、じゃが芋やかぼちゃなどを煮崩れさせたくない場合や、アクの強い野菜には硬水を使うのもおすすめです。
そして肉の場合は、水に含まれるカルシウムと、肉を硬くしている成分とが結びつきアクとなって出てくれるため、かための肉をじっくり煮込む場合には、硬水の方が適しています。

④日本茶をいれる
日本茶に合う水は、硬度30~80mg/リットル程度の軟水と言われています。
日本の水道水のほとんどがこの範囲内の硬度なので日本茶をいれるのに適しています。日本茶は、うま味、渋味、苦味のバランスを楽しむ飲み物で、硬水だとそれらが抽出されにくくなってしまいます。
よりおいしい日本茶を楽しむためには3~5分沸騰させて水道水のカルキ臭を抜くことが必要です。
浄水器を使う場合も、沸騰させてから使うのがおすすめです。

私たちの生活に欠かせない水。
限りある資源だからこそ、おいしく、そして大切に使って行きたいですね。

Text by まち/食育インストラクター

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